ひとり旅難易度:高
温泉は泉質にこだわりたい!という方に是非、おすすめの温泉です。
指宿と言えば「砂蒸し」ですが、実は源泉かけ流しの温泉が数多く存在しているんです。
その中から、私のイチオシ!何も足さない・何も引かない、極上の温泉「村之湯温泉」をご紹介したいと思います。
指宿駅からのアクセス
まずは、指宿駅からの行き方を簡単に説明しましょう。
歩いて10分~15分程度です。
お散歩がてら歩いて行くことをお勧めしますが、貸自転車「いぶりん」の選択肢もあります。
ただ時間貸なので、返却の時間など時間を気にする必要があるのが難点。
本当にいいお湯なので、時間を気にすることなく心行くまで楽しんで欲しいんです。
タクシーならワンメーターくらいなので、雨の場合は利用するのもアリだと思います。
それでは早速、歩いて行ってみましょうか。
まずは起点となる指宿駅からスタートです。
1.指宿駅を出たら左手へ進みます。足湯の脇を通り過ぎてください。
2.50メートルくらい先に「麵屋二郎」があります。その前の交差点を渡ってセブンイレブンの脇を通り、とにかくまっすぐ。
東郷温泉の看板が見えるまで直進します。(セブンイレブンから大体300m少々。それほど、遠くはありません)
3.東郷温泉の看板に書いてある矢印通り、信号を渡りましょう。
信号を渡ったら、そのまま直進すると間もなく、左手に焼き鳥屋さん「あっちゃん」が見えてきます。
お風呂上りに一杯!と行きたかったのですが、残念ながら17時からの営業みたいです。
Take Outもできる様子。次回訪問の時にはTake Outしてみてもいいかな~なんて思っています。
4.「あっちゃん」から約200mほど歩くと左手に東郷温泉の看板が見えてきますので、その手前が村之湯温泉です。
ナント、お隣同士なんです。
是非、湯巡りを!
東郷温泉の看板のちょっと手前の敷地に入ると「村之湯」の看板が見えました。
到着です!
この先に管理人さんのお宅があって料金箱が置いてありますので、そちらに入浴料(350円)を入れてからお風呂を頂く形となります。
入浴料は料金箱へ入れるので、当然、お釣りがでません。
小銭を準備していくことをお勧めします。
350円。お釣りの無いように!
最悪は、自動販売機がありますので、そちらで水などを購入して、小銭を入手することも可能です。
お金を支払ったら、いざ、お風呂場へ!
何だか鄙びた感、満載ですが、この扉の向こうには足元湧出の歴史あるお風呂が待っているんです!
とはいえ、ちょっと扉を開けるのに勇気が要りますよね。この雰囲気(苦笑)
伝えたい。公共温泉「村之湯」が素晴らしいと言える理由
では、いざ Open the door~!って、なんかこんなクイズ番組、ありませんでしたっけ?
でも、ちょっと待った!(あ、これは「ねるとん紅鯨団」ね)
その前に、なぜ村之湯が素晴らしいのか。その魅力をお話させて下さい。
純温泉 まさに一期一湯
いきなり純温泉って言われても、???ですよね~。
詳しくは純温泉協会のホームページを参照頂くとして、簡単に言えば、サントリーウイスキー「山崎」です。
・・・更に、意味不明なんですけど・・・。
でも50代以上の方ならピンときませんか?
サントリーウイスキー「山崎」のCMのフレーズ。
そう!あれです。あれ。
「何も足さない・何も引かない」
村之湯はまさに、そんなお湯なんです。
つまり「ありのまま」のお湯。それが純温泉。
加水・加温されていない、当然、消毒剤などの人工的な物質も一切加えられていない、ありのままのお湯。
なんだかすごくないですか!温泉マニアにとってはたまらないフレーズです。
そんな温泉に入れるなんて、本当に貴重なんですよ。ホントに!
加えて足元湧出ときたら、最高中の最高。
褒め表現がたくさんある英語で言えば、Excellent. Super. Marvellous!!!!!
しかも、純温泉協会からも認定されていますので、正真正銘の源泉かけ流しの温泉です。
「純温泉A」という最高グレード。通知表で言ったらオール5!しびれますね~。
温泉は大地からの贈り物。生きています。
そして生命力にあふれているので、一日の間でも色味や温度などが微妙に異なります。
また、地震で止まってしまったり、高温になったり、冷泉になってしまったりする可能性も秘めています。
そうした中で、今、この時このお湯に出会えたこと自体が奇跡であり、まさに一期一湯。
だからこそ、この奇跡のお湯を、ず~っと大切に守って来てくれた管理人の湯守には感謝しかありません。
どうですか?奇跡のお湯を体験してみたくありませんか?
奇跡の湯。ぷくぷく足元から湧出る温泉
村の湯は、足元のすのこの間から約40度のぬるめの源泉が湧出ているので、放置していると自然に湯温が下がって行きます。
東京都市大学の早坂信哉教授によりますと、疲れを取る入浴法としてお湯は40度が適温とのことです。
40度のお湯に全身浴で肩までしっかと10~15分つかるのがベストだそうです。
とすると、ぬるくなったらどうするのでしょうか?
それが、目から鱗なんです。
浴槽の中に木製の栓がついていて、それを引っこ抜くと湯温の高い源泉がドバドバと流れ込んでくる仕組みになっています。
つまり、ぬるくなった湯に高温の湯を混ぜ合わせることで、浴槽の中の温度が上がりますよね。
これが「何も足す必要がない」という、からくりなのです。
うまれたてのお湯に、うまれたてのお湯を加える。なんて贅沢なんでしょう。
ぬるい源泉+熱い源泉で温度調節しているなんて、考えてもみませんでした。
まさに奇跡のお風呂なんです。
歴史が半端ない
村之湯は、指宿でも最も古いと言われる歴史ある公衆浴場です。
村之湯は文久3年(1863年)、この地に自然湧出していた露天掘りの温泉を村の集落の共同浴場としたのが始まりで、幕末には温泉好きで知られる「西郷どん」も入浴したとの言い伝えもある。
本格的な創業は明治14年(1881年)
山と渓谷社出版 篠遠泉・長岡努・長瀬美佳著 「ぶくぶく自噴泉めぐり」より抜粋
このように、あの西郷隆盛も入浴したと言われています。
でも、それ以上に私の心をつかんだのは、全国から招集された特攻隊員が出陣を前にこの村之湯で身を清めたと言い伝えられていること。
もしも、あの時代なら招集されるべき年齢の息子を持つ母として、言葉にならない思いで入浴させて頂きました。
窓から差し込む優しい光に包まれた浴槽で、特攻隊員は何を思ったのでしょうか?
もう二度と会えぬ母を思って、涙したのでしょうか?(←勝手に母と決めつけていますが・・・。もしかしたら父かもしれない?いいえ、父のハズがありません。笑)
そう思ったら、胸がキュンと締め付つけられる思いがしました。
指宿から日帰りで知覧観光が可能です。知覧特攻平和会館では特攻隊の歴史を知ることができます。
悲しい歴史を抱える温泉ではありますが、必然的に平和な世に生きていることに感謝せずにはいられない、そんな不思議な温泉です。
悲しい歴史を背負っているからこそ、優しい温泉なんだと思うのです。
ん?人は悲しみが多いほど人には優しくなれるのだから・・・と同じ原理でしょうか(←金八?贈る言葉か!)
しかし、あれですね。特攻隊話は男の子を持つ母は、必ず涙腺崩壊しますよね。
気になる「村之湯温泉」お風呂案内
さて。お待たせいたしました。
「村之湯温泉」の素晴らしさを分かって頂いたことろで、早速、お風呂へとご案内しますね。
女と書いてあるドアを開けると、まず、この光景がドカーン!と目に入ります。
ワオ!(ワム!ちゃうよ。笑)ちょっと驚きますよね。
やっぱり、いい温泉は地面に近いと言いますが。掘り下げられてますね。
そして、ん?更衣室はどこだ?
更衣室
実は、女湯のドアを開けると、そこがまさかの更衣室なんです。
「室」というより「着替える場所」と言った方が適切な感じですね。
つまり、着替える場所とお風呂が一体化しているんです。
丁度、誰も入浴していなかったので良かったのですが、もしも誰かが着替えていたら、焦って、ドアを閉めてしまったかもしれません(苦笑)
でも、こういう造りからも歴史を感じますし、何だかマニアックな香りがプンプンするところも、全国から温泉ファンが足しげく通ってくるゆえんなのでしょうね。
そして、棚の上には毎日通ってくる地元のおばちゃん達のお風呂セット(シャンプーや石鹸など)が置いてあるんです。
地元から愛され、地元に根付いた温泉であることがわかって、何だかほっこりします。
神聖な気持ちで自噴するお風呂につかる
湯底にはすのこが敷いてあって、隙間から新鮮なお湯が自噴しています。
お風呂が縦に2つ並んでいます。手前が熱めで奥がぬるめです。
ふと顔を上げると、頭上には神棚があって、島津斉彬と西郷隆盛の想像がも一緒に飾られていました。
神棚のせいか、肖像画のせいか、外から差し込むキラキラした光の中で、心が自然と落ち着いてきて神聖な気持ちでお湯に入ることができました。
神さまに守られているお湯なんだな~なんて思いながら、あ~。心が穏やかで、いいな~。心も体もほぐれて行く。そんな感じ。
飲泉できます
基本的に、新鮮じゃないと飲泉はできません。
ですので、温泉によってはお湯を循環させ、加えて塩素消毒などをしているので、飲泉と記載されたものしか口にしないよう気を付けて下さいね。
飲泉があることには気付いていたのですが、特に紙コップなどもなかったので躊躇していました。
でも、途中から入浴してきた地元のおばあちゃんが強く勧めるので、さすがに飲まないわけにもいかず挑戦してみることに。
お味は、少々の塩気と金属臭が入り混じった感じで癖が強く、お世辞にも美味しい代物ではありませんでしたが「良薬口に苦し」でしょうかね。
村之湯は塩化物泉。塩化物泉は読んで字のごとく、塩分が多いので、高血圧の方は特に、飲泉する場合は、希釈したりして飲みすぎに注意が必要です。
アメニティー
アメニティーって・・・。公共のお風呂なんだからホテル並みのアメニティーなんて、だれも期待していませんよね(笑)
ただ、稀に少しだけ準備されていることもあるので、念のため記載しておきます。
シャンプー・コンディショナー・ボディーソープなどはありません。
もちろん、化粧水・乳液などもございません。
ドライヤー。あります。
が、しかし、注意書きが貼ってあって、男性・女性で同時に使うと、ブレーカーが落ちてしまうそうです。
なんだか、のどかでいいな~。自然と笑みがこぼれます。
地元の銭湯で、これやられたら怒り狂うけど。ここだから許せる(笑)。
浴室は上が空いていて、男風呂の音が聞こえます。なので、男性風呂からドライヤーの音が聞こえたら、使用を控えるベシってことですね。
村之湯のお湯。豆知識
お湯は「ナトリウムー塩化物泉」。
つまり、塩のお風呂です。
体がよくあたたまるので冷え性の方に効果的。
温泉の濃さは、入浴剤約14個半に相当するので濃いです。
温泉の濃さを入浴剤に例える方法
入浴剤は1個、大体150mg/kgの成分が入っていると言われます。
温泉分析書 4-(7)-ウにガス成分を除く溶存物質総量 2.204gと記載があります。
入浴剤1個 150mg/kg
村之湯のお湯 2.204g/kg
なので、単位を揃えると村之湯は、2204mg/kg
単位を揃える方法はこちらで簡単にできます。(もう、悲しいかな、こういうものを使わないと計算できないんです・・・)
村之湯2204 ÷ 入浴剤150=14.69となるので、約14個半となります。
温泉分析書の上には、純温泉協会のスティッカーが貼ってあります。
まさに「何も足さない」証です。
一期一会・一期一湯
村之湯温泉はこじんまりとしているので、知らない人が入って来ると、少なくとも気まずさを感じてしまうかもしれません。
でも、話したくなければ、目を閉じて「話しかけないでオーラ」を出していればいいのです。
が!そんな努力も虚しく話しかけられてしまうんですよね。
大抵の場合、話しかけられてしまうんです。
何せ、相手は地元のおばあちゃん。マイペースですからね。話しかけないでオーラにもお構いなし(笑)。
でも、これが一期一会の良いところ。
もう、二度と会うことのない人だから、案外、すんなりと本音が言えちゃったり。
そして、相手にとっても同じだから、凄い人生観が聞けたりもするんです。
時間にしてわずか10分程度の出会いだけど、旅の一番の思い出になったりすることも多いです。
だから、そんな一期一会の出会いが楽しくて、また旅に出掛けちゃうんですけどね。
そして、村之湯温泉はお湯も一期一湯。
地球から今!湧出てきたお湯を楽しむ。今、この瞬間のお湯との出会いを楽しみつつ感謝する。
村之湯温泉はただの温泉ではなく、昔から受け継いできた人と自然が織り成す特別な場所なのです。
訪れる人との出会いや、その時のお湯の色や温度に、心を開いて感じることが、旅の醍醐味かもしれませんね。
さ、次の旅では、どんな出会いが待っているのでしょうか?
次、どこいく?